自分で焙煎したコーヒー,飲んでみませんか?
こんにちは,趣味でコーヒーの自家焙煎をしているヒデマルと申します。私はもともとコーヒーが好きだったのですが,2016年に手振りの焙煎器を購入してから自家焙煎の魅力に取り付かれました。
自家焙煎は手間がかかるうえに失敗のリスクがありますので,プロに焙煎してもらった方が楽だし無難であることは言うまでもありません。というより,プロのテクニックやお店で使用する高性能な焙煎機には全然太刀打ちできないといえるでしょう。
それでも私は「自家焙煎は楽しい!」と声を大にして主張したいです。思い通りにならないことがあるからこそ上手く焙煎できたときの喜びや達成感がたまらないですし,好きな時に焙煎したてのコーヒーが飲めることが嬉しいポイントです。その魅力を他の人にも伝えたいを思い,このブログを立ち上げました。
コツが掴めるとどんどん深みにハマっていきますので,新たな趣味として焙煎に挑戦してみるのはいかがでしょう?
コーヒーの生豆
“コーヒー豆”と聞けば,黒っぽい茶色をしている豆が頭に浮かぶのではないかと思いますが,この状態の豆は焙煎された後の状態です。「そんなの知ってるよ!」との声が聞こえてきそうですが,では,焙煎する前の豆を見たことはあるでしょうか?これは意外と見たことがない人が多い気がします。焙煎する前のコーヒー豆はどんな色かというと,薄く緑がかったような淡い色をしています。コーヒー特有の香りはせず,なんだかクレヨンのような独特の匂いがします。この状態の豆を“生豆”(なままめ,きまめ)と呼びます。
おすすめ手振り焙煎器! 「煎り上手」
私が2016年に購入して以来,ずっと使い続けている焙煎器が(株)発明工房より販売されている「煎り上手」という焙煎器です。
コーヒー豆の焙煎に特化した片手鍋のようなタイプで,ガスコンロなどで下から熱を加えて焙煎します。アルミ製で軽量なため焙煎器を振り続けても疲れにくく,底の形状が工夫されているので振ったときに中の豆が良く混ざるのが特徴となっています。
コツが掴めれば10~15分くらいでムラなく焙煎することができるので,個人で焙煎を楽しむ分にはこれさえあれば十分だと思います!
これだけでOK! コーヒーの焙煎に必要な道具一覧
コーヒーの焙煎をするにはいくつか揃えておきたい道具があります。下に一覧を用意したのでチェックしてみてください。
- 焙煎器
- ガスコンロ
- 金属製のスプーン
- 冷却用の網
- 鍋敷き
- うちわ
先ほどの紹介した“煎り上手”はIH非対応なのでガスコンロが必要です。台所がガスコンロならそれを使用できますが,オール電化の家の場合,別途ガスコンロなどを用意しましょう。鍋を食べるときに使用する普通のタイプで十分です。
スプーンは焙煎中に豆の状態を確認するのに使います。煎り上手の上部の穴に入るサイズの金属製のスプーンを用意しましょう。
焙煎後の豆は高温であるため,余熱で焙煎が進んでしまいます。そこで,焙煎が終わった後に素早く冷却する必要があるので,網を用意しておくと便利です。おすすめは100均で売っているケーキ作り用の粉ふるいです。
そして,粉ふるいを置いておくための鍋敷きと冷却用のうちわも用意しておくと良いです。これらも100均にあります。
どこで買う? コーヒーの生豆
道具が揃ったら生豆を購入しましょう。生豆は店舗でもネットでも購入できます。近くに生豆を販売しているお店があれば良いですが,無ければネットでも十分いい豆が手に入ります。Amazon,Yahoo!ショッピング,楽天など,普段利用しているショッピングサイトがあれば「コーヒー 生豆」で検索してみてください。意外にもたくさんの商品がヒットすると思います。
私の基準では送料込みで200gあたり1000円以下なら安い,1500円までなら普通,それを超えてくると高めな部類かなと思っています。(あくまで個人的な感覚です)
いずれオススメの豆についても紹介できたらと思います。
また,生豆を購入したら焙煎する前に“ハンドピック”という作業が必要になります。別途記事にしましたので良ければ下のリンクからお読みください。
焙煎を始める前の注意事項
焙煎を始める前に注意しておかなければならないことがいくつかあります。何も知らずに焙煎を始めると途中で後悔するかもしれませんので順番に解説します。
- 煙が出る
焙煎をすると,中盤からあたりから煙が発生します。火災報知器が反応するかもしれませんので換気扇の下などで焙煎をすることをオススメします。また,窓を開けるなどして換気をしっかり行いましょう。 - においが多少残る
焙煎後,部屋に少し匂いが残ります。とはいえ,換気さえしておけば半日~1日くらいで気にならなくなると思います。一応,においが付いたら困る服などはしまっておいた方が良いでしょう。 - 豆の薄皮(チャフ)が周りに飛び散る
焙煎時,生豆の外側の薄皮(チャフ)がはがれて周りに飛び散ります。片付けがしやすいようにあらかじめ小さな箒や布巾などを用意しておくと良いです。 - 失敗はつきもの
自家焙煎に失敗はつきものです。豆の一部分だけ焦げて焼きムラになったり,豆が真っ黒になってしまったり,逆に浅煎りすぎて味が出なかったりと失敗にも様々なパターンがあります。それでも何度か繰り返すうちに,自分でも驚くくらいおいしいコーヒーができるときがきっときます。ぜひ,1度や2度の失敗であきらめずに続けてみてください。
手振り焙煎器を使ったコーヒー豆の焙煎方法
さて,準備ができたらいよいよ焙煎です。まずはどのくらいの焙煎具合を目指すか決めましょう。焙煎具合については下のリンク記事を参考にしてみてください。
次に具体的な手順について説明します。ここでは前述の「煎り上手」を使用した方法を説明しますが,手振り焙煎器であれば基本的な手順は変わりません。参考にしてみてください!
①豆を焙煎器に入れる
豆の量は少なすぎても多すぎても失敗につながります。焙煎器内では底の部分の温度が一番高くなりますが,焙煎器を振り続けて底に接している豆を常に入れ替わらせてあげないと豆の一部が焦げ,焼きムラになります。
うまく焙煎するためには,底の部分で豆を“焼く”というよりは,底から熱を受け取った豆が他の豆に熱を与えるサイクルを豆が循環しながら繰り返していき,全体がムラなく加熱されていくイメージが大切です。
豆の量が少なすぎると底の部分に同じ豆が常に接している状態になるので焦げやすく,逆に豆の量が多いと焙煎器内で豆が動く余裕がなくなり,うまく循環できないので焼きムラににつながります。そのため,豆の量は焙煎器の最大容量の半分程度が良いと思います。
②火にかける
焙煎器を強火にかけ,振っては少し止めてを繰り返し,焙煎器本体と豆の温度を上げていきます。ここで,“煎り上手”の持ち手の内側は空洞となっているため豆が入り込むことがあります。この中に入ってしまうと熱が伝わらず,焙煎できません。そのため,持ち手側を気持ち上にあげることで豆が入ることを防止します。
③焙煎器を振り続ける
ある程度温まってくると豆に少しずつ色がつき始めます。こうなってきたら手を止めず,常に焙煎器を振り続けましょう。手首を軸に水平方向に振ったり,円を描くなどして振り続けます。(10分程度はかかるので,ずっと同じ振り方をしていると疲れます。)とにかく焙煎器内で豆を循環させましょう。
④ “1ハゼ”
焙煎が進むと煙が出てくるようになります。煙が出てしばらくするとパチパチとした音が豆から聞こえるようになってきます。これが“ハゼ”といわれるもので,豆の内部のガスの圧力が高まって,外に放出されるときに鳴る音です。豆を観察すると膨らんだりしてモコモコ動いているのが見えるかもしれません。
ここからの焙煎の進み具合の変化は速いので,油断せずにスプーンで色を確認するなどして焙煎しすぎないように注意しましょう。また,焙煎器は最後まで休まずに振り続けます。
⑤ “2ハゼ”
1ハゼのときとは少し違う音で鳴り始めたら,2ハゼが始まった合図です。(1ハゼよりは控えめな音です。)この2ハゼが焙煎度合いを決めるひとつの目安となります。2ハゼの手前から2ハゼ開始直後くらいで火からおろすと焙煎度合いは中煎りくらいになっているはずです。そして,2ハゼが進行していくごとに深煎りの豆になります。
最初はどこで火からおろすのか迷うと思うのですが,結局は1ハゼ後からこまめにスプーンで豆をすくって色を確認していくのが良いです。ハゼの音を聞くのはあくまで目安としてとらえたほうが失敗は少ないように感じます。(1ハゼが終わっていないのに2ハゼが始まってしまうこともあり,最初は2ハゼをとらえるのが難しいかもしれません。)
煎り上手の場合,穴から除けばコーヒー豆が見えるのですが,内部が暗いので豆を外に出したときに思ったより色が薄いことが多いです。失敗を防ぐためにスプーンで焙煎器の外に豆を出して色を確認したほうが良いです。
⑥冷却
焙煎器から出した豆は余熱でも焙煎が進んでしまいます。そこで,冷却する必要があるのですが,粉ふるいの上に豆を広げて下からうちわで扇ぐとチャフの除去もできて一石二鳥です。ただし,チャフが広範囲に飛ぶので外の迷惑にならない場所でやってください。そのような場所がない場合はチャフが飛ばないようにそっと扇いで冷却しましょう。豆を粉ふるいの上でゆすればある程度チャフと分離できます。
焙煎ができたら
初めて自家焙煎をしたら是非やってみてほしいことがあります。それは焙煎したての豆でコーヒーをいれることです。実はコーヒーは焙煎直後よりも数日から数週間程度寝かせたほうが味が落ち着いてきておいしいとされています。ただ,焙煎したての豆でいれたコーヒーの味も新鮮さがあって刺激的でこれはこれですごくおいしいと思います。特に,今まで豆の鮮度にこだわっていなかった人には衝撃的かもしれません。
また,焙煎したての豆でドリップするとお湯をかけた瞬間にモコモコと粉が膨らみます。これは粉に含まれる炭酸ガスが抜けるために膨らむのですが,焙煎から日数が経つほどガスは出なくなります。この勢いのある豆の膨らみも見ていて面白いので是非体験してみてほしいです。
豆を挽いたり,ドリップする方法については下のリンク先で解説しているので是非参考にしてみてください。また,おすすめの器具についても紹介しますので,そちらもぜひ参考にしてみてください。