コーヒーの生豆を購入したら焙煎を始める前に“ハンドピック”をすることをオススメします。ハンドピックとは,豆の状態をチェックして状態の悪い豆(欠点豆)を取り除くことです。このひと手間が雑味のない美味しいコーヒーをいれるためには重要となります。
通常,コーヒー豆の焙煎前には焙煎士の方がハンドピックを行って欠点豆を取り除いています。ただ,生豆の状態でコーヒー豆を購入すると欠点豆が含まれた状態で届くことが多いです。特に,大容量の商品を買った時ほどこの傾向が強いように感じますが,その分安く買えるので仕方がない面もあります。
欠点豆といっても捨てたほうが良いものと,形が悪くて焼きムラの原因にはなるけど味には問題ないものがあります。そこで,私は欠点豆を捨てるものと,捨てるほどではないけど別にしておく豆(B級豆)に分類しています。そのB級豆は,焼きムラが気にならないほどの深煎りにしてアイスコーヒー用の豆にするなどの活用をしています。
捨てる豆
- カビ豆
豆の一部に青黒い部分があれば,それはおそらくカビです。コーヒーの風味だけではなく健康にも良くないと思われるので,疑わしいものは積極的にはじきましょう。
- 虫食い豆
豆を観察していると小さな穴が開いているものがありますが,それは虫が食べた痕で,大体その部分にはカビが発生しています。表面から見ると小さな穴が開いているだけなのですが,割ってみると意外と内部の広範囲がカビていることがあるのでぞっとします。雑味の原因になるので取り除きましょう。
- 発酵豆
他の豆と比べてやたらと茶色っぽい色をしている豆があれば発酵豆と呼ばれる欠点豆の可能性があります。コーヒー豆はコーヒーチェリーという果実の種なのですが,このコーヒーチェリーの状態で熟しすぎると発酵豆になってしまうようです。酢のような匂いの元になるので見かけたら取り除きましょう。
- 黒豆
黒豆とは収穫されたコーヒーチェリーを生豆の状態に精製する過程での過発酵などが理由で黒くなってしまった豆です。見るからにまずそうですし,風味に悪影響を与えるので取り除きましょう。
- 貝殻豆
中央部分が空洞で,薄い貝殻状になっている豆です。焙煎してもすぐに焦げてしまうので取り除きます。
捨てないけれど別にしておく豆
- 割れ豆・欠け豆
生豆の中には割れてしまったり欠けてしまったりしたものが混ざっていることがあります。味は問題ないのですが,焙煎時に焼きムラの原因となります。あまり細かいものでなければ別の瓶などに除けておきましょう。 - 他の豆よりやたらと小さい・大きい豆
豆は種類によって大きさが結構違うのですが,同じ豆のなかで他の豆よりやたらと小さかったり,大きかったりする豆が混ざっていることがあります。これらの豆も味には問題ないのですが,豆のサイズをだいたい揃えて焙煎をしないとやはり焼きムラの原因となりますので除けておきましょう。
レアもの!“ピーベリー”について
コーヒー豆の中にはピーベリーといわれる他と明らかに形の違う丸っこい豆が含まれていることがあります。上にも書いたようにコーヒー豆はコーヒーチェリーという果実の種なのですが,通常1つのコーヒーチェリーには2つの種が入っています。この2つの種のうち1つがダメになってしまい,残った1つに栄養が集中して丸い形になったものがピーベリーです。
希少でおいしそうなイメージがあるので私は専用の容器を用意してピーベリーだけ集めています。ピーベリーだけでいれたコーヒーは特別な味がする…気がします。
ハンドピックは意外と大変な作業ですが,ピーベリー探しを1つの楽しみにすることでモチベーションが上がるかもしれないですね。
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